七度文庫の紹介
七度文庫は、官能小説を自動生成するプログラムである。
ビジュアルノベルとか、アドベンチャーノベルとかの名称のソフトは、
インターネットに多数あるが、七度文庫はそれらのソフトとは違い、
生成されるのはテキストデータの小説だけである。
画像も音声もなく、インターラクティブなゲームでもなく、ただ小説のテキストが
自動生成され、それをテキストエディターで読むだけのソフトであり、
どちらかというと時代を逆行する時代遅れのソフトと言えるかもしれない。
主人公は地方から上京して東京の女子大に通う女子大生「有紀ちゃん」で、
大学生活でのいろいろな出来事を「体験手記告白小説」として生成する。
物語は一人称で語られ、「どきどきしちゃうような危ない体験」の告白を読むことが出来る。
「有紀ちゃん」は地方の出身で、高校のときはまじめに受験勉強ばかりして、東京の名門女子大に合格した優等生である。
勉強ばかりしたせいか世間常識はあまりないようで、警戒心がないせいか、すぐにだまされやすい。
親友の「礼子さん」は、甲府の出身でしっかりした性格だが、ちょっと刺激的な体験には逆らえない性格らしい。
大学では礼子さんと一緒にコーラス部に所属している。
コーラス部は近所の大学との合同のクラブで、近くの大学の男の子達とも交流が多い。
クラブの先輩は、しっかりしてる先輩もいれば、すぐに酔いつぶれては男にだまされる先輩もいて、なかなか一筋縄では行かない。
研究室は先生が厳しくて、卒業するには学会発表をしないといけないという大変な教室だ。
もともとは小説やシナリオの自動生成プログラムを作ろうと思ったのだが、
なかなか朝のテレビドラマのようなシナリオを生成するプログラムは作るのが難しい。
それで私は官能小説に目をつけた。
官能小説というのは、筋書きもみな同じようなもので、特に官能描写の所は、
ほとんどどれも同じようなものである。
官能描写の自動生成くらいはコンピュータに書かせるのは結構簡単にできるのでは
と思った。
そこで、シナリオ生成と官能描写の自動生成を組み合わせた、七度文庫を作成した。
シナリオの自動生成部はあらかじめ用意された文章を組み合わせてシナリオを生成する。
官能描写自動生成部は、ランダムな組み合わせで官能描写を自動生成する。
文章とシナリオの生成には7th_language 七度言語(なのたびげんご)を使用している。
七度言語は、今回の七度文庫を作るために私が開発した言語であり、
特に小説の自動生成に必要な機能をまとめたものである。
アドベンチャーゲーム用のスクリプト言語のような、
画像の表示や、音声の出力、ユーザーによる選択画面などの機能はない。
その代わりに小説の生成に便利な機能がいろいろと盛り込んである。
七度文庫は第五回エンターブレインゲームコンテストにおいて
オリジナルプログラム部門伊集院光特別賞を受賞し、
エンターブレインゲームコンテストのホームページにおいて公開されている。
しかし、内容にはかなり過激な描写を含むため、
公開されているのは、官能描写自動生成部と過激な一部のシナリオを除いた機能制限バージョンである。
続編の「人妻編」では、前回の主人公の女子大生「有紀ちゃん」が、
大学の時のコーラス部の男の子と結婚したあとの話しが展開される。
旦那はさる大手のコンピュータメーカーに就職してシステムエンジニアになり、
有紀ちゃんは遊びに来る近所の女友達にそそのかされて、危ない遊びにはまるという、ストーリーだ。
シナリオは全部新たに書き下ろしたので、「女子大生編」とはストーリーが重なることはない。
前回の「女子大生編」を楽しまれた方は、是非続編の「人妻編」もお楽しみ下さい。
続編の「アイドル編」「女体化編」「チャット小説編」も作成した。
「アイドル編」は人気アイドルグループ「ラブエンジェルズ」のメンバー有紀ちゃんのドキドキしちゃう体験を生成する。
「女体化編」はライトノベルでよくある「女体化」をテーマに短編の官能小説を生成する。
「チャット小説編」は最近流行りの「チャット小説」風の対話形式の官能小説を生成する。
七度言語で記述された「七度文庫オリジナル編」「七度文庫制限版」「七度文庫人妻編制限版」「七度文庫アイドル編」「七度文庫女体化編」「七度文庫チャット小説編」のシナリオソースコードはgithubで公開されている。
シナリオはそのままでは表示できないが「七度リーダー」を使用すれば小説を自動生成して表示することができる。
ユーザーが「七度リーダー」用のシナリオを作ることもできるので「ラブレターの自動生成」「読書感想文の自動生成」など他にもいろいろ応用していただけたらと思う。